効果的なトレーニング方法について 〜企業内教育の落とし穴〜
当たり前のように続けられていた階層別研修に加え、最近では若手経営人材育成研修プログラムなど、キャリアの早い段階(20歳代)からいわゆる『幹部候補向けコース』を設け、潜在力と実力に応じた集中的なリーダー教育が広がってきました。しかしながら、この『横割り(階層別)から縦割り(エリート養成)へ』というのは、いわゆるハード(箱)の問題であり、その中身(ソフト:教育方法)も変わらなければいわゆる『実践(現場)で活用』したり、『実践で活用できる力があるかの選別』をしたりといった本来の起業内教育の目的を果たすことができないのも事実です。
ここでは、成功事例に基づいた従来のトレーニング方法の改善点を中心に、今後の教育の方法やあり方についてポイントをまとめました。
課題(1)集合研修 | なぜ単発の集合研修では効果がないか? 集合研修のメリットは、グループワークやロールプレイングができたりといったリアルタイムでの学習ができることと、同じ空間で顔を見ながら進められるため受講者に臨場感や気持ち(魂)を入れることができるということです。しかしながら、一方でそれを行う場面と目的を再確認する必要があります。学習のステップには、まず@基礎を理解する、A様々な場面で応用できる方法を理解する、それからBその応用力に基づいた行動を定着させる、という3つの段階があります。研修でできるのは@とAであり、どちらも『頭ではわかった』という段階です。実際には実行することが最も重要であり、その実行には1回や2回ではなく、様々なシミュレーションで擬似トレーニングをこなすことが重要となります。当然集合研修でこれらを行うことは時間にも、コスト的にも現実的でないため、遠隔で低コストにこれらを定期的にこなしていく方法が必要となります。集合研修が効果的なのは、導入研修とまとめの研修(それぞれMAX2日以内)といえます。
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課題(2)Eラーニング | なぜEラーニングを導入するかが明確か? Eラーニングは当然、単に学習するツールの1形態であり、あくまで集合研修を補完すべきものといえます。そこで、大きく2つの点で補完するメリットがあります。●『1.効率』:今まで毎月全国の支店長を東京に集め、1泊2日の研修に呼んでいたものを、4半期に1度程度に減らし、その減った分をEラーニングでまかなうことで時間的なロスやコスト的なメリットを享受しよう、といったケースです。●『2.効果』:Eラーニングと本を読むのとではどちらがコンテンツが濃いか、と聞かれても答えはありません。なぜならEラーニングは、媒体の種類に過ぎないからです。つまり、アナログではなく、デジタル(インターネット)を活用して『(動画などを通した)わかりやすさ、(DBなどを通した)更新・管理のしやすさ』などの便利さを追求するものであるため、『Eラーニングなのにコンテンツに深さが見られない』といった問題がある場合は、プログラムの設計時点に問題があるといえます。Eラーニング導入のメリットを整理して適正な対象は以下の2つです。●集合研修をしなくても学んでおくべき基礎知識やルール(予習)・・・・これは折角集合研修でお金をかけても単なる基礎知識や基本的ルールだけを学ぶだけでは集合研修のメリットを享受できないことの裏返しで、この部分こそEラーニングで補完すべきである、といえます。●一方、学習ステップの最後にもあった知識の応用トレーニング(定着)には、単発ではなく繰り返しで(集合研修で行ったあるケーススタディの前提だけでなく)現実と同様異なる場面設定の擬似シミュレーション課題をし、それら一つ一つに対して講師(コーチ)からの個別添削指導フィードバックを行う必要があります。これを集合研修で行うには時間的にもコスト的にも現実的でない場合が多く、この個別添削指導(定着トレーニング)にもEラーニング(またはメールによる学習)を活用すべきといえます。
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課題(3)個別指導 | 個別指導なしのEラーニングは読書と一緒? 最後の、定着トレーニングのところと関連しますが、よく『Eラーニグを活用しているが、チューターの稼働率(質問を受け、フィードバックをする)は数パーセント程度』というケースが多く見受けられます。Eラーニング事業者にとってみればチューターの稼働率が少なければ少ないだけコストを安くすることができるため、ひどい場合は1人のチューターあたり数百人の受講者を担当させる場合もあるといわれています。しかし、これこそ学習の本質的な意味を無視した本末転倒な考えであり、基本的に定着のためのトレーニングをするためには、100人受講者がいれば、必ず100人全員がチューターへ質問をし、フィードバックを受けさせるような前提でプログラムを構築する必要があります。Eラーニングも提供する、ある教育関係会社が約300人のコーチを抱える弊社に、『このくらいの低コストでチューター機能を依頼したい。稼働率は2−3%ですから、心配ないですよ。』というような依頼も実際ありましたが、いかに『何のための教育か』を考えないで事業者も企業側も導入してきたか、ということが垣間見られます。
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企業研修を考える際のチェックポイント
@集合研修か遠隔研修か? | 目的と役割は?(集合研修の回数の削減、対象者の絞込みなど) ・基礎知識・・・・Eラーニング/オンラインアセスメント ・応用知識・・・・集合研修(まとめ) ・定着トレーニング・・遠隔個別指導トレーニング(メール/WEB)
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Aどの遠隔ツールか? | 携帯、WEB、メール、書籍・通信教育。前提となる条件(コストと効果)はどうか。
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B個別指導が『全員に』入っているか? | 有るか無いかではなく、どのレベルで入れるかが重要。ここがないと読書やビデオ学習と同様。
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『GTFメソッドによるマネジメント行動定着トレーニング』
効果的なトレーニング『3つのステップ』
【ステップ1】 | 『基礎知識アセスメント&解説』 ●基礎知識は、英語やPCスキルと同様、最低限覚えておくべきルールといえます。したがって、学習の過程でいえば予習にあたります。この基礎知識の多くは、そのまま実践で活かせるわけではなく、その場面や状況にあった形で応用し、現場で活かせるための実践力を養わなければなりませんが(ステップ2)、その前段階で、最低限必須となる基礎知識は時間やコストをできる限りかけずに終了させることが鍵といえます。
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【ステップ2】 | 『個別指導』 ●GTFの教育で重要な核となるものが集合研修や遠隔教育と予めビルトインされた個別指導トレーニングです。知識を定着させ、現場で適応できるようにするには、単発の教育ではなく、1年を通した定期課題への取り組みとそのフィードバックが必須となります。研修を単なるイベントに終わらせないよう、GTFのプログラムは全て受講者全員の参加が義務付けられる定期課題提出と個別指導が必須となっています。
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【ステップ3】 | 『マネジメント・トレーニング(集合・遠隔)』 ●GTFは、当初より経営コンサルティング活動の中において、ナレッジを組織内に定着させるためOJTという形で現場における従業員の能力開発を支援して参りました。理論をベースとした教育としての研修ではなく、実際にビジネスの現場における経営コンサルティングを主業務とするGTFならではの具体的且つ現場感覚溢れるシミュレーションケースと、通勤大学MBA書籍など最低限必要となる知識ベースの提供を組み合わせにより、効果が薄い単発の集合研修ではなく、年間を通して低コストで継続的な学習を支援しています。
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※成果に必要な3つのコミットメント
●営業向け論理的思考研修 ●SE向け論理的思考研修
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