◆イノベーションのジレンマとは? ―クリステンセン教授三部作の代表作―
●かつて業界を率いてきた優れたリーダー企業が新興企業に追い落とされる・・・ この現象を研究し、理論体系化したクリステンセン教授によって発表された名著が「イノベーションのジレンマ」、「イノベーションへの解」、「イノベーションの最終解」といういわゆるイノベーション三部作でした(本書「イノベーションのジレンマ入門」も三部作を中心に解説しています)。
●ゴビンダラジャン、チェスブロウ、リース……。こういった名前を知らなくとも、彼らの提唱したコンセプト「リバース・イノベーション」、「オープン・イノベーション」、「リーンスタートアップ」は聞いたことがあるかもしれません。いずれもAC時代の「不確実性の高い世界」における新たな戦い方の提唱者です。
●スティーブ・ジョブズ率いるアップルや、米セールスフォース・ドットコムをはじめとする多くのスタートアップ企業、そしてそれらの破壊的企業に追い落とされることを懸念した既存の大企業で、クリステンセンの理論がバイブルとして扱われ、実際のビジネスでも実践・活用されてきました。「イノベーションのジレンマ」の発表は、それほど1990年代以降の産業界に大きなインパクトを与えた事件でした。
◆クリステンセン教授とは? ―クレイトン・クリステンセン(Clayton M. Christensen)―
●1952年、アメリカ合衆国のユタ州に生まれる。1975年、ブリガムヤング大学経済学部を首席で卒業後、オックスフォード大学で経済学修士、ハーバード・ビジネススクール(HBS)でMBAを取得。
●ボストン コンサルティング グループでコンサルタントとして活躍したほか、研究開発型ベンチャーの社長、会長を歴任し、ホワイトハウス・フェローとしてドール運輸長官(レーガン政権)を補佐した経験も持つ。
●40歳からHBSで教え始め、同時に書いた博士論文は最優秀学位論文賞に加え、ウィリアム・アバナシー賞、マッキンゼー賞など各賞を総なめ。マッキンゼー賞は、ドラッカー、ポーターらに続く受賞回数を誇る。1997年に出版した“The Innovator’s Dilemma”(日本語版:『イノベーションのジレンマ』翔泳社刊)は、世界中のビジネスリーダーに多大な影響を与えた。
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