CEO育成ポータル






LEADERS INTERVIEW

「コミュニケーション力を高め、時代の半歩先が読めるビジネスリーダーになりたい」

株式会社
東京カソード研究所

専務取締役
プローブカード事業部長
大久保尚武氏



<<リーダー・プロフィル>>
1995年3月群馬大学工学部卒、同年4月富士通ゼネラルに開発エンジニアとして入社。96年東京カソード研究所に入社。経営企画室、海外営業課に在籍した後、2002年からプローブカード事業部長として事業拡大に取り組む。05年専務取締役に就任。34歳。


<<企業プロフィル>>
1950年創立。中国・台湾・韓国などに多数のグループ会社を有し、半導体・LCD・PDP検査機器、電子材料、LCDバックライト用電極、ブラウン管用電子銃部品などの開発・製造・販売を手掛ける。米国Rucker&Koll社との技術提携により、日本で初めてプローブカードの製造を開発したパイオニアとしても知られている。95年にジャスダックに上場。売上高115億8300万円、経常利益7億3400万円(いずれも05年3月期)。企業情報の詳細は、 http://www.tclab.co.jp/ を参照。


様々な出会いを通じて、自分自身が目指すリーダー像をより明確にしてきた東京カソード研究所専務取締役の大久保尚武氏。その極致に到達するためにも、さらなるコミュニケーション力を身に付けたいと語る。ビジネスリーダーにとっての対話の意味合いについて大久保氏に聞いた。

――リーダーシップとは何だと思われますか。

  「スタイルが2つあると思います。1つは、カリスマ的に指示命令を行うスタイル。もう1つは、部下とともにチームワークとして行っていくスタイルです。どちらが正しいかは、私にはまだ分かりません。ただ、企業が永久的に存続するためには、後者であるべきでしょう。カリスマだと、その人が退いた後の継続がどうしても難しくなりますから。私自身、以前は部下が何かやっていなかったりするとかなり怒ったものですが、最近になって、指示命令だけでは人が大きく育たないことを痛感しています」

――大久保さんの考え方を変えたものは何ですか。

  「やはり、公私を通じて様々な方々と出会い、適切なアドバイスをいただけたことが大きいですね。例えば産業再生機構代表取締役専務の冨山和彦氏。冨山氏が以前、CDIというコンサルティングファームで取締役をされていたころにお仕事でお世話になったのですが、頭脳が明晰なだけではなく将来へのビジョンにも明るいとあって、かなり刺激を受けたものです。戦略論も含めて、自分に足りないものは何かを教えられましたね。また当社の監査役の面々からも、いろいろなタイミングで貴重な助言を受けました。その時点ではうまく理解できなかったとしても実践を積み重ねていくうちに、あの助言の意図はこういうことだったのかと、思いを新たにすることが何度かありました」

――数年後には、社長として会社を指揮する立場になられることでしょう。どのような経営者像を描いていますか。
 
「まずは、社員が本音を語れる環境作りを心掛けていきたいですね。現社長の大久保利次郎もよく指摘していますが、現場からだと会社の状況がよく見えます。言い換えれば、会社の課題を最も理解しているのは現場の方々だということです。私自身は、会社の課題が十分見えているとまだまだいえません。ですから、現場の方々と話し合いながら、会社の在り方や方向性を決めていくことが重要だと考えています。今まで以上にコミュニケーションを図っていく必要があるでしょう」


――一流のビジネスリーダーになるための条件を1つ挙げるとすると何ですか。

  「一言でいえば、時代の半歩先を読む力。今何をすべきなのか、ほかの誰よりも早く見極める力を身に付けるということです。今の時代、10年先がどうなっていて、何が起こるかなんて誰にも予測できません。弊社が手掛ける半導体にしても、技術革新が急激に進んでいますからね。しかし、半歩先を見据えた経営をすることは可能です。問題は、それを社内にどうディスクローズし、社員と一緒になって実現していくかなのです」
 「半歩先を読むには、社内だけでなくお客様や業界関係者を含めた様々な方々とコミュニケーションを図っていく必要があります。何年か先を予測したロードマップが提示されていたとしても、それが本当に正しいかどうか、常に情報を集めて確認していかなければなりませんからね」
 
――『日経BizCEO』サイトでは、読者に主体的な生き方を提案しています。自分の人生やキャリアを主体的に選択するために、ご自身で心掛けていることはありますか。

  「自分がこの世の中で何をやっていくかという哲学がないと、どうしてもブレが生じてしまいます。世のため社会貢献のためをベースに、自分は何年後にこうなる、こうなりたいというビジョンを持つべきだと思っています。その上で、目標に対して何が課題になるのかを前向きにとらえています。会社経営も同様です。何年後に目標とする売上高や利益はこの額だと打ち出した上で、自分の夢、会社の夢を語り合いながら、実行していくことが大切になるはずです。半歩先を見通して、具体的に何をどうすればよいのかを考えることが重要だと先程話しましたが、主体的に歩むためには、それだけでは不十分です。将来のビジョンをも明確にする必要があるのです」

――ビジネスリーダーを志向する読者に何かメッセージをお願いします。
  「今や社会はIT(情報技術)ばやりですが、その弊害を感じています。コミュニケーションをメールで簡単に済ませてしまいがちだからです。これでは一方通行に過ぎません。最後はやはりフェース・ツー・フェースの対話が大切なのです。人生を過ごす上でも、会社の同僚や友人との関係においてもコミュニケーションは大切なものです。そこから物事が始まるのですから。ビジネスリーダーとしての役割を担いたいのであれば、このコミュニケーション力をいかに高めていくか、どう身に付けていくかが本当に重要になると思いますね」

(取材・文 袖山 俊夫)
日経BizCEOは、日経Bizキャリアと世界最大の公式MBA組織日本支部を兼務するグローバルタスクフォース(GTF)の共同サイトです。

Copyright 2004-2006 Nikkei Human Resources, Inc., all rights reserved.
Global Taskforce K.K., all rights reserved.